"dominion" はもともと「支配権」や「支配領域」を意味する言葉であり、「自治領」を意味する場合はしばしば頭文字が大文字となる
[Oxford Advanced Learner's Dictionary. 7th edition, Oxford U.P.]。
17世紀末に北アメリカのニューイングランド植民地がドミニオンと呼ばれたが、「自治領」が再び登場し、
イギリス帝国にとって重要な意味を持つのは
19世紀半ばから後半になってからのことである。当時のイギリス帝国では現在の
カナダにあたる地域に幾つもの小さな植民地が存在した。
1867年にこれらの植民地を統合する際の名称として、「カナダ自治領」(Dominion of Canada)の名が採用された。なお、この時カナダは「自治領」(Dominion)ではなく「王国」(Kingdom)を望んでおり、自治領の名に失望したとも言われる
[『歴史学事典』12、弘文堂]。イギリス側は、「王国」を用いてアメリカを刺激することを避けたかったことから、君主国であることを暗示にとどめるため、
旧約聖書を典拠としてこの名称を選んだ
[詩篇72番8節(欽定訳聖書による):新共同訳聖書ではと訳されている。]。