横綱審議委員会 wikipedia|無料辞書
横綱審議委員会(よこづなしんぎいいんかい)は
日本相撲協会理事長の諮問機関で、略して「
横審(よこしん)」と呼ばれる。
◆概要
設立のきっかけは、
1950年1月場所、3日目までに
東冨士、
照國、
羽黒山の3
横綱が途中休場したため横綱の格下げが論議され、場所中に協会は「2場所連続休場、
負越しの場合は
大関に転落」と決定、発表した。しかし粗製濫造した協会が悪いと世間の反発をくらい、決定を取り消すことになった。そこで、横綱の権威を保つためにも横綱免許の
家元である
吉田司家ではなく、
相撲に造詣が深い有識者によって横綱を推薦してもらおうということとなり、1950年4月21日に横綱審議委員会が発足した。
横綱審議委員は理事長からの委嘱を受けて就任する。現在の委員の定数は7名以上15名以内、任期は1期2年、最長で5期10年まで。委員長は、委員の互選によって決定する。委員長の任期は1期2年、最長で2期4年まで。新聞社の社長や
NHK会長など、
マスコミのトップに委嘱することが多い(過去の委員を参照)。
委員就任に対する報酬はなく、毎場所
千秋楽翌日の定例会と、東京場所前に年3回ある稽古総見と場所総見後に食事の接待ぐらい。稽古総見以外での観覧は各自切符を購入する。
国技館では正面審判長のすぐ後ろにたまり席があるため、テレビ放送にしばしばうつる。
◆横審の役務
横審の最大の役務は、横綱推薦にある。「2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」という内規を満たしたと判断された場合、理事長は横審に横綱昇進について諮問する。横審は諮問を受けて審議し、出席委員の3分の2以上の賛成があれば横綱推薦を理事長に答申する。理事長は答申を受けて臨時理事会を招集し、理事会において横綱昇進について決議し、正式に昇進を決定する。
当初、内規では理事会は横審の決議に拘束されないとされていたが、現在は「尊重する」となっているため、横審が事実上の最終決定をくだすことになる。ただし、前述のとおり理事長からの諮問がなければ横審は力士の横綱昇進について審議することができないため、横綱推薦に関する全権を委任されているわけではない。横綱昇進に値する成績を残したと見られる力士の横綱昇進が見送られた場合に横審が批判されることがあるが、実際は理事長が諮問を見送ったためという場合が大半である。
1986年7月に横綱昇進を答申した第60代横綱・
双羽黒が翌年トラブルを起こし、
幕内での優勝がないまま廃業したことにより横綱推薦基準の拡大解釈が問題視され、
1988年以降は横綱推薦基準の第2項を厳格に適用することになった。第63代横綱・
旭富士以降は全て2場所連続優勝の成績で昇進しており、それ以外の成績では諮問すらされない場合がほとんどである。唯一2場所連続優勝でない成績で諮問された貴ノ花は前述のとおり横審で見送られた。
また、2場所連続優勝を横綱昇進への絶対条件としているにもかかわらず、
琴欧洲や
日馬富士の優勝後に「高いレベルでの優勝」と優勝した現役大関へいちゃもんを付ける発言も問題視されている。特に日馬富士は09年夏場所で14勝1敗、しかも
白鵬を優勝決定戦で破り、14日目には
朝青龍に勝っているにもかかわらず、その間に立ち合いの変化をばかり糾弾している。琴欧洲については、08年夏場所で日馬富士と同じ14勝1敗で優勝したにもかかわらず、やはり過去2場所の成績を批判し、「高いレベルでの優勝(このときは相撲内容が低ければ13勝で優勝しても横綱昇進は見送ると付け足している)」が条件だと厳しく指摘した。なお、琴欧洲は次の名古屋場所は9勝6敗、秋場所・九州場所はともに8勝7敗という成績に終わっている。
逆に日本人大関には、「次は12勝でも昇進」などかなり甘い(
魁皇、
栃東等)。このような背景から外国人差別ではという疑問の声も絶えない。
◆ 横綱推薦基準
横綱審議委員会における横綱推薦基準は次の通りで、いずれも出席委員の3分の2以上の多数決によって決議すると内規で定めている。
#大関で2場所連続優勝した力士を推薦することを原則とする
#2場所連続優勝に準ずる好成績を上げた力士を推薦することができる
◆ 歴代委員長