栄誉礼 wikipedia|無料辞書
栄誉礼(えいよれい)とは
軍隊が
元首や高官を迎えるときに行なわれる儀式をいう。受礼者が栄誉礼を行うべき場所に到着したとき及びこれを離去するとき、儀仗隊等が受礼者に対して
礼式捧げ銃の
敬礼を行い、同時に
音楽隊等が
国歌等を奏することによって行なわれる。栄誉礼の後に儀仗隊の巡閲を行なうことが通常である。受礼者の地位によって、「栄誉礼」前奏部分たる「冠譜」の演奏回数が異なる。このように、栄誉礼の主目的は敬意を表する点にある。
これに対して、儀仗(ぎじょう)とは、敬意を表する点のほかに警衛する点に意義がある。また、堵列(とれつ)とは敬意を表する点のほかに送迎する点に意義がある。
◆ 自衛隊の儀仗
◇ 栄誉礼・儀仗・堵列
自衛隊法施行規則(昭和29年総理府令第40号)第13条から第14条の2までの規定によると、栄誉礼、儀仗及び堵列の目的は次の通りとされている。
;栄誉礼 :栄誉礼受礼資格者が
自衛隊を公式に訪問し若しくは視察する場合又は
防衛大臣の定める場合に、栄誉礼受礼資格者に敬意を表するため行う。(自衛隊法施行規則第13条)
;儀仗 :栄誉礼受礼資格者が自衛隊を公式に訪問し若しくは視察する場合の発着又は防衛大臣の定める場合に際し、栄誉礼受礼資格者等の途上を警衛し、及びこれに敬意を表するため行う。(自衛隊法施行規則第14条)
;堵列(とれつ) :栄誉礼受礼資格者であって長官が定めるものが自衛隊を公式に訪問し若しくは視察する場合又は防衛大臣が定める場合に際し、当該受礼資格者を途上において送迎し、及びこれに敬意を表するため行なう。(自衛隊法施行規則第14条の2)法令上の標記は「と列」
◇ 栄誉礼細目
栄誉礼は例えば、次のような手順で行われる。「栄誉礼等及び礼砲の実施要綱について(通達)」(昭和45年8月7日付け
防衛庁長官通達防人1第1726号(平成19年8月31日付け防衛大臣通達防人計第4888号による改正後のもの)及び」「栄誉礼の細部実施要領について(
通達)」(昭和59年1月25日付け
海上幕僚長通達海幕総第294号(平成8年7月24日海幕総務第3467号による第4次改正後のもの))における、外国の受礼者の場合をもとに示す。なお、陸上自衛隊に関しては儀仗隊の編成等に関して若干の差異が見受けられる。具体的には編成は受礼者に応じ1コ中隊〜1コ小隊を中心に編成、指揮官は3佐〜3尉までと受礼者に応じ変化がある。
儀仗隊
・儀仗隊の編成
・
分隊 - 1個分隊の編成は、分隊
海曹1名及び分隊員8名とする。ただし、部隊等の配員又は実施場所の状況により、これにより難い場合は、隊の威容を損なわない範囲において縮小することができる。
・儀仗隊の装備 - 指揮官は
拳銃を、その他の隊員は
小銃及び
銃剣を携行する。ただし、指揮官が
儀礼刀を着用する場合、拳銃は携行しない。
・服装
・儀仗隊 - 自衛隊の礼式に関する訓令(昭和39年防衛庁訓令第14号)第83条第2項に定める甲武装の着用品は次のとおりとする。
・白色の拳銃帯(専用
ベルト。指揮官は白色の
拳銃嚢を装着する。)、又は儀礼刀及び刀帯(指揮官のみ。)
・きゃはん(脚袢)(部隊等の長が着用を命じた場合に限る。)
・音楽隊 - 原則として、通常演奏服装とする。
実施要領
#整列
##儀じよう隊は、受礼者を右翼方向から迎える態勢になるように整列し、音楽隊又はらつぱ隊は儀じよう隊の右翼に、送迎者は儀じよう隊の左翼に整列するのを例とする。
##受礼者が臨場する前適宜の時機に、らつぱにより「気を付け」を令する。
#栄誉礼
##指揮官は、受礼者が受礼位置につくと同時に「捧(ささ)げ銃(つつ)」を令し、正面に対し、挙手の敬礼(儀礼刀を着用している場合は捧(ささ)げ刀の敬礼)を行う。
##儀じよう隊員は、正面に対し、捧(ささ)げ銃(つつ)の敬礼を行う。
##音楽隊は、指揮官の予令と同時に奏楽準備を行い、指揮官の敬礼と同時に受礼者の本国の
国歌の奏楽を開始し、同国歌の奏楽終了後、引き続き「国歌」を奏する。
##立会者及び侍立者は、正面に対し、
挙手の敬礼を行う。
##送迎者その他近傍に在って栄誉礼を視認できる位置に在る
自衛官は、正面に対し、挙手の敬礼を行う。
##指揮官は、「国歌」の奏楽が終了した直後に「立て銃(つつ)」を令し、総員元の姿勢に復する。
##指揮官は、再度「捧(ささ)げ銃(つつ)」を令し、受礼者に対し挙手の敬礼(儀礼刀を着用している場合は捧(ささ)げ刀の敬礼)を行う。
##儀じよう隊員は、受礼者に対し、捧(ささ)げ銃(つつ)の敬礼を行う。
##音楽隊又はらつぱ隊は、指揮官の予令と同時に奏楽(吹奏)準備を行い、指揮官の敬礼と同時に「栄誉礼冠譜」及び「祖国」の奏楽(吹奏)を開始する。
##立会者及び侍立者は、正面に対し、挙手の敬礼を行う。
##送迎者その他近傍に在って栄誉礼を視認できる位置にある自衛官のうち、
幹部自衛官及び
准海尉は、受礼者に正対し挙手の敬礼、
海曹及び海士は、そのまま姿勢を正す敬礼を行う。
##指揮官は、奏楽(吹奏)が終了し、受礼者が元の姿勢に復した直後に「立て銃(つつ)」を令し、総員元の姿勢に復する。
#巡閲
##指揮官は、受礼者の前方約3歩の位置まで前進し、挙手の敬礼(儀礼刀を着用している場合は捧(ささ)げ刀の敬礼)を行い、先導する旨の申告した後、受礼者の右斜め前方約1歩の位置を保ち、儀じよう隊の各列の前面を先導する。
##立会者は、受礼者の後方に位置し、巡閲に随(同)行する。
##音楽隊又はらつぱ隊は、指揮官の敬礼と同時に奏楽(吹奏)準備を行い、受礼者が受礼位置を離れると同時に「巡閲の譜」の奏楽(吹奏)を開始し、以後、受礼者が元の位置に復するまで継続する。
##指揮官は、巡閲が終わり、受礼者が元の位置に向かう途上において受礼者から離れ、元の位置で待機する。この際、要すれば、受礼者がそのまま元の位置に向かうように促し、以後の誘導は立会者が行う。
##指揮官は、受礼者が元の位置に復すると同時に挙手の敬礼(儀礼刀を着用している場合は捧(ささ)げ刀の敬礼)を行い、先導終了を申告する。
#送迎
##立会者は、受礼者を送迎者の隊列に誘導し、随(同)行する。
##送迎者のうち、幹部自衛官及び准海尉は各個に挙手の敬礼、海曹及び海士は指揮官の号令により頭右(左)の敬礼を行い、目迎(送)する。
##受礼者が遠ざかった適宜の時機に、らつぱにより「別れ」を令する。
◇ 受礼資格者
自衛隊法施行規則第13条第2項により、自衛隊の儀仗を受ける資格を有する者は次の通りである。
#国賓又はこれに準ずる賓客として待遇される者及び防衛大臣が公式に招待した外国の賓客
#前各号に掲げる者の外、防衛大臣の定める者