九九 wikipedia|無料辞書
算数における
九九(くく)とは自然数の
乗法などの計算を表にまとめて語呂よく暗記する方法のことである。
足し算九九や
引き算九九や
掛け算九九や
割り算九九があるが、単に九九という場合は、普通1桁同士の掛け算九九を指す。また除数が1桁の割り算九九を
八算(はっさん)、二桁を
見一などという。
◆ 足し算と引き算の九九
江戸時代には
寺子屋などで教えられていた。現在は
百ます計算などと呼ばれることもある。
◆ 掛け算九九
掛け算九九は、1から9までの自然数同士の掛け算を語呂良く
暗記する方法である。1桁と2桁、2桁同士の掛け算を暗記する方法も含めて九九と呼ぶこともあり、この場合は2桁の九九という。
ヨーロッパなどでは
十二進法の名残で12×12までの掛け算の表を学んでいた。また、ドイツ語圏では大九九 (gro?es Einmaleins) と呼ばれる20×20までの掛け算をまとめたものもある。
インドでは二桁の九九が学ばれているが、地域や学校によって差があり、最低でも1×1〜20×20、最高では1×1〜99×99まで学ぶ。インドの影響を受け、中国や韓国でも二桁の九九(1×1〜20×20)はブームとなった。
日本には
大和時代に
百済から伝えられ、
平安時代には貴族の教養の一つとされていた
[[外部リンク] 神奈川県和算研究会事務局 日本の数学文化 in 神奈川<和算かながわ> 日本の数学]。もともとは九九から唱える(うしろからはじめる)もので、このなごりから九九と呼ばれるようになり、のちに一一からはじまるようになった。現在では、一の段(一一から一九まで)、二の段(二一から二九まで)、…、九の段(九一から九九まで)のように各段に分けて唱えることもしばしば行われる。かつては半九九と呼ばれる半分だけの九九が用いられていた。これは割り算九九と混同しないためにであったと考えられる。割り算九九が廃れるにつれ全九九が主流となった。積が一桁のときは
がを付ける。
珠算のときに、十の位の空位を意識させるためにも役立つとされている。
◆ 割り算九九
割り算九九には八算、見一、唐目十六割、四十三割、四十四割、糸割などがある。割り声(わりごえ)、割れ声(われせい)とも呼ばれる。
◇ 八算
掛け算九九が珠算と無関係に有用であるのに対し、割り算九九は
そろばんの珠の動きとの関連が大きい。
元の頃、
中国で発明され、その後
日本にもたらされたものである。日本では
毛利重能の割算書などによって広まった。そろばんの普及と割り算九九の普及は大きく関連している。江戸時代には帰除法のほうが一般的であった(亀井算という商除法も行われていた)。
珠算による割り算の方法は、掛け算九九を使う商除法と、割り算九九を使う帰除法がある。そろばん教室で教えるのは、昭和の頃からであろうか商除法が主となり、帰除法(すなわち割り算九九)はほとんど使わなくなってしまった。電卓の出現前、学校教育で珠算をある程度重視した時期であっても、割り算九九は教えていない。その結果、今ほとんどの人は割り算九九の存在さえも知らない。帰除法の利点としては機械的に素早く計算できることが挙げられる。欠点としては新たに割り算九九を覚えなければならないことが挙げられる。
八算という呼び名は1で割る場合を除いて、8通りの割り算としたことに由来する。九九と同様に二一天作五で八算全体を表すこともある。一進をいっちん、一十をいんじゅと読む場合もある。逢の字が書かれることもあるが読まれない。倍作(ばいさく、ばいそう)を倍とする場合もある。
下の表で上段は表記、中段は読み、下段は表している計算式である。