半規管の外側は骨でできており(骨半規管)、そのすぐ内側に膜がある(膜半規管)。それぞれ
内耳の骨迷路・膜迷路の一部を構成している。膜半規管の内部は
リンパ液で満たされており、片方の付け根は膨大部となり内部に有毛細胞(感覚細胞)がある。その感覚毛はクプラ(膨大部頂)で結束されている。頭部が回転すると、体内にある三半規管も回転するが、内部の液体であるリンパ液は
慣性によって取り残されるため、相対的には「
三半規管の内部をリンパ液が流れる」ことになる。そのようにリンパ液が流れるとクプラも動き、それに付随した有毛細胞が刺激されることで、
前庭神経から
脳に刺激が送られ、体(頭部)の回転が感知できるしくみである。
回転が続くとリンパ液も一緒に回転してしまうので、体の回転が止まっても今度はリンパ液の回転がすぐには止まらず、誤った信号を脳へ送ることになる。また、水中では、
耳孔内に冷たい海水が流れ込んでくるため、リンパ液の粘性が高まり、回転覚などが掴みにくくなる。その結果、場合によっては
パニックに陥って上下の判断がつかなくなり、水面に出るのが困難になる。
三半規管の機能は鍛錬によって強化が可能であり、これを鍛えることは内耳性の病変である
メニエール病の
回転性めまいなどの症状緩和にも役立つ。機能強化の具体的な方法としては、後ろ向きに歩く、
ブランコで揺られる、回転した後に片足で立つ、首を上下前後左右斜めなどへ傾けたまま体を起動させる、マット運動での前転・後転、行く先に対して正面向き・横向き・斜めなど方向を変えて横たわった体勢から起き上がってのダッシュ、などがある。他にも多くの具体策があるが、症状改善が目的であれば病状に応じて無理のない方法で行い、スポーツ選手などにおいては可能であれば回転や各方向からの刺激に対して目を閉じるなど
視覚補正が働かない条件の下で行うと、いっそう効果的である。