トーナメント方式 wikipedia|無料辞書
トーナメント方式(トーナメントほうしき)とは、競技会で勝者や順位を決める方式。
ただ一人の勝者を選ぶこと、優劣の順位を決めること、興行として面白いものにすること、などの目的の違いや、期間、場所等の制限、に応じて、さまざまな方法が考案されている。
ルーツとなったものは中世の騎士が行った「
馬上槍試合」で、実際の戦争の代わりに行われ、名誉と時には領土までかけたため死者が出ることもあった。
◆勝ち残り式トーナメント
勝ち残り式トーナメント方式は、1対1の戦いによる勝ち抜き戦である。勝負に負けたチーム(または個人)はその時点で脱落し、勝者同士で対戦を繰り返しながら勝者を決定する。ノックアウトトーナメント(knockout tournament)などとも呼ばれる。日本語で単にトーナメントといえばこの方式を指すことが多い。
図の下の段から順に第n回戦と呼ぶ。しかし、最後の3回戦は第n回戦ではなくて
準々決勝(quarterfinal)→
準決勝(semifinal)→
決勝戦(final)と呼ぶ。また、準決勝の敗者同士の試合を行われる場合がある。これを
3位決定戦(third-place play off) と呼ぶ。
対戦表は、勝ち抜いたときの試合数が同数となるようにバランスをとって構成する。ただし、参加者数が2nとならない場合、試合数が1試合少なくなるチームができてしまう。その場合は、
・途中で
敗者復活戦の勝者を参加させ、試合数をそろえる
などの処理をする。
Tチームでノックアウトトーナメントを行うと、試合数は全部で T-1 試合になる(回戦数ではなく全試合数。たとえば4チームのとき3試合)。これは試合数が敗者数と一致し、1敗もしないチームが1チームだけ残るからである。
◇ シード
力のある参加者同士がトーナメントの序盤で対戦しないように、参加者をトーナメント表上にばら撒くように配置することをシードと呼ぶ。シード(seed)=種まきが語源である。また、シードはしばしば大会の対戦取り組み上での面白さを増す目的でも導入・実施される。厳密には対戦表上で配置をばら撒くという大意に含まれるが、大会そのものがフルオープンエントリー制(=参加申し込みすれば必ず出場できる)ではない場合、トーナメント戦に限らず、出場枠を特別に設けたり、予選・本戦に分かれている場合に予選を免除することも「シード」と呼ぶ。トーナメントの構成上、試合数が少なくなる参加者が出る場合、シード対象者の試合数が減らされることが多い。本来の意味とは逆に、「試合数が少なくなること」が「シード」と誤用されることが多々見受けられる。
:「試合数が少なくなること」=「シード」と誤用する例:出場チームが10のトーナメントの場合、内6枠分の初戦が2回戦からとなるが、「試合数が少ないからシード」であるという解釈は正しくなく、それらの6枠が全てシードであるとは限らない。トーナメントで試合数が少ないこととシードチームであるという事は本来は直接には無関係である。この様な例で試合数が少ない枠が生じるのは、あくまで出場チーム数の関係から発生するトーナメント表の構成上の都合であり、その試合数が少ない利点がある枠にどの出場チームを当てるかは運営側の基準に因る。
:#全て(1回戦枠を含む)を抽選によって決定する。
:#2回戦枠の幾つか(場合によってはその全て)をシードチームに無条件に与え、1回戦枠を含めた残りを抽選によって決定する。
:などが挙げられる。シードがある場合は後者の方法が多く採られる。
:また、予選がある場合で第2代表を「逆シード」として本戦での1回戦枠を無条件に当てる方法もある。
機械的にシードを設定する、次のようなアルゴリズムが知られている。
#最初に過去の成績などから仮の順位を決め、トーナメント表の片方の端に1位の参加者を、もう片方の端に2位の参加者を配置する。
#3位以下を順に、トーナメント表の頂上から以下のルールに従ってたどることによって配置する。
#*先に配置されている参加者の数が少ない山を選ぶ。
#*同数の場合は、山の最下位の順位が低いほうを選ぶ。
例えば6人の参加者をこれに従って配置すると、- という組み合わせが得られる。8人だと - となる。上位になるほど強い相手と早く当たる可能性が低く、また試合数も少なくなって多少は有利である。
◇特徴
利点
・事前に組合せが決定されるので予想や興趣がわきやすい
・優勝者を決定するに際し、総試合数が必要最小限に抑えられる。基本的に優勝者のみを決定すれば良いので、準備や運営が他の方法に比べて容易である
・対戦相手、チームが欠場、棄権しても、残った側を勝ち進めればよい
・勝ち残った選手・チーム同士が戦うという単純明快さがある
・組み合わせや運次第で、弱者が強者に勝つ可能性もあるので、面白みが増す。
欠点
・結果が組合せの運に左右される(直接対戦しない者同士が存在する)
・組み合わせが完全抽選方式だと、強豪同士が早い段階でぶつかってしまう可能性がある。
・組み合わせが主催者任せだと、贔屓選手、チームに優位な組み合わせにされてしまう
・敗者は基本的には敗戦後は一切試合をすることができない(試合数にばらつきが生じる)
・格下チームがたまたま勝ってしまうこと(
ジャイアント・キリング)もあるため、総合的に安定した実力のある者が優勝者となるとは限らない。(安定した順位を評価するには本来適さない。この点を修正するため、準々決勝を勝ち抜いた4人により決勝リーグを行う場合やトーナメント出場者を選抜する一次リーグを実施する場合がある。)
・例えば、1回戦で優勝者に負けた者と、決勝戦で負けた者などのような、直接に対決していない同士の実力の度合いを量るには適さない。したがって主催側の思惑(意思や思想)により、それらを補うためにコンソレーション (consolation) と呼ばれる
敗者復活戦、慰安試合を含む場合がある。
・トーナメントで敗者同士が戦うケースとして3位決定戦があるが、敗者に肉体的ダメージが大きい格闘技等の競技では、敗者同士を戦わせることに危険が伴うケースがある。このような競技の場合は、3位以下を表彰しない、3位決定戦を行わず同位表彰される。3位入賞者が2選手、2チーム出ることになる。
・トーナメント本選で勝利したが、負傷等の為次の試合に出場できないケースがある。この場合は次の試合は不戦敗扱いになるが、リザーバーと呼ばれる予備の出場者が代理出場することもある。リザーバーはノーダメージ、ノーリスクで勝ち上がる不公平が生じるが、それを解消するために本戦とは別にリザーバー決定戦が行われる。あくまでリザーブ(保留)を決める試合なので、本戦に欠場が出ないとリザーバー決定戦に勝利しても本戦に出場できないリスクも生じるので、不公平感を打ち消す効果もある。
◇適用例
参加チーム・参加者が多い競技大会では最も多用されている形式。例としては以下のものがある。
・インターミドル、インターハイ、インターカレッジの
ハンドボール
◆グループトーナメント(総当たり戦)
日本でいう総当り戦・リーグ戦を、グループトーナメント(Group tournament)またはラウンドロビントーナメント(Round robin tournament)という。また、総当たりより少ない場合もそう呼ぶことがあり、その場合は後述のスイス式と重なる。総当り戦についての詳細は
リーグ戦を参照。
◆スイス式トーナメント
スイス式トーナメント方式(Swiss style tournament)は、意図的に同レベルあるいは近いレベルと判断される強さのもの同士を対戦(つまり事前のデータとして各出場者・チームの
レイティングあるいはそれに準じたデータがあることが前提)させ、総当たり戦に比べより少ない試合数においても、ある程度の順位の正当性や、実力に差がある場合に生じやすい観戦側にとって興ざめな試合を少なくすることが期待できる方式である。
具体的には以下のような手順で行われる。
・ 1回戦はランダムな組合せで対戦する。
・ 2回戦は、勝者同士と敗者同士が対戦するように組み合わせる。
・ 3回戦は、2戦全勝・1勝1敗・2戦全敗のそれぞれが、同じ成績同士で対戦する。
・ 4回戦以降も同様にできるだけ同じ成績同士で今まで当たっていない相手との対戦を繰り返す。
規定の試合数をこなした時点で最も成績の良い参加者が勝者となる。成績の算定方法は基本的に
# 勝ち星の数(引き分けは0.5)
# 勝利した相手がどれだけの勝ち星をあげているかの合計数(SB)
の順序で決定される。