オイノマオスが求婚者を殺害したのは、ヒッポダメイアと結婚した結婚した者に殺されるという
神託があったためとも、娘に恋していたためともいわれ
[アポロドーロス、摘要(E)2・4。]、一説にはヒッポダメイアを穢したともいわれる
[ヒュギーヌス、253。]。このためオイノマオスは求婚者たちにヒッポダメイアを戦車に乗せて
コリントス地峡まで逃げることができれば結婚を許すが、もし途中で追いつかれたら殺すという条件を出した。しかしオイノマオスはアレースから授かった馬と武具を持っていたので
[アポロドーロス、摘要(E)2・5。]、求婚者を先に走らせ、自分はゼウスに犠牲を捧げた後に出発しても追いつくことができ、槍で求婚者を殺し
[シケリアのディオドロス、4巻73・4。ほかパウサニアス、5巻14・6、8巻14・10。]、首を切り落として館に打ちつけた
[アポロドーロス、摘要(E)2・5。ヒュギーヌス、84。]。あるいは屋根に葺いた
[ピンダロス『イストミア祝勝歌』第4歌92古註a。]。
後に
ペロプスが求婚したとき、ヒッポダメイアはペロプスに恋し、御者の
ミュルティロスにペロプスの味方をするよう頼んだ。そこでミュルティロスは戦車の車輪から楔を外した。このためオイノマオスがペロプスを追跡すると車輪が壊れ、手綱が絡まって引きずられて死んだ。あるいはペロプスに殺された。そのときオイノマオスはミュルティロスの裏切りに気づきペロプスに殺されるように呪った。そのためミュルティロスはペロプスに殺され、ペロプスの子孫を呪った。
[アポロドーロス、摘要(E)2・6〜2・9。]。一説にペロプスはオイノマオスに勝つためにミュルティロスを殺したので、オイノマオスは敗北し、自殺したともいう
[シケリアのディオドロス、4巻73・5〜73・6。]。オイノマオスに殺された者は12人とも、13人とも、あるいは15人ともいわれる
[アポロドーロス、摘要(E)2・5。ピンダロス『オリュンピア祝勝歌』第1歌79。『大エホイアイ』(パウサニアスによる引用、6巻21・10〜21・11)。]。
ヘロドトスはエーリス地方ではなぜか
ラバ(馬と
ロバの混血)が生まれず、エーリス人によればある呪いが原因であり、そのためエーリス人は牝馬を国外に連れ出してロバと交配させた後に、エーリスに連れ帰ると述べている
[ヘロドトス、4巻30。ほかパウサニアス、5巻5・2、9・2。]。
プルタルコスによれば呪いの原因はオイノマオスで、オイノマオスはたいへんな愛馬家だったので、牝馬がロバの子を産むのを好まず、ラバを生ませようとする者を呪った。このためエーリス人は呪いを避けるために牝馬を国外に連れ出してロバと番わせるという
[プルタルコス『ギリシアの諸問題』52。]。また一説にオイノマオスは死後、
タラクシッポスになったといわれる
[パウサニアス、6巻20・17。]。