ウエイトトレーニング wikipedia|無料辞書
ウエイトトレーニング(英:weight training)は、
バーベル、
ダンベル、マシンまたは自重などを使い筋肉に負荷をかけ体を鍛えるトレーニング。主に筋力の増大、またはそれに伴う筋肉の増量などを目的とするトレーニングの総称。
広義には自重を利用したトレーニングもウエイトトレーニングに含まれると考えるべきだが、一般の通念上では
バーベルや
ダンベル、専用のトレーニングマシンを使用したトレーニングと認識されている場合が多い。本稿では、その認識に基づき説明される。
◆ 近代スポーツに不可欠な存在
近代スポーツ競技において、ウエイトトレーニングは非常に重要なものとされている。ウエイトトレーニングによって培われた筋力が無ければ、
オリンピックをはじめとする国際大会において好成績を収める事は不可能とされ、各競技の選手も重要なトレーニングとして取り組んでおり、大規模な科学的トレーニング施設を調えるよう努めている。
◆ 科学的根拠の無い偏見
つい最近まで、一部の
スポーツ指導者の間でウエイトトレーニングに対し否定的な意見を持つ者が存在した。
彼等の意見を総合すると、以下のようなものがある。
・ ウエイトトレーニングでつくられた筋肉は実際の競技では役に立たない(※競技種目ごとに必要とされる筋肉、その比重は異なることを考慮することが必要)
・ 筋肉の柔軟性が失われる(筋肉を収縮させれば硬くなる) (※十分なストレッチを実施すれば防げる。筋肉の多寡は柔軟性とは関係ない)
・ 身体の抗体能力が落ち、病気になりやすい(練習後、著しく体力が低下する為) (※練習後に著しく体力が低下するのは何もウエイトトレーニングに限った事では無い。サプリメントを摂取し休息期間を設ける事で速やかな回復を促すよう努める)
・ 無意味な体重増加を招き、膝などの関節を痛めやすくなる(ウエイトトレーニングは主にアウターマッスルを鍛えるため、インナーの筋力が増加した体重を支えきれなくなる為) (※インナーマッスルを鍛える種目も存在するので、それを実施しバランスの取れた筋量アップを心がける)
・ 持久力が衰え、バテやすくなる(体重が増加する為) (※持久力を必要とする種目の選手が、補助としてウエイトトレーニングを実施する程度では、持久力に影響を及ぼすほど筋量を増やす事は難しいと思われる)
これらについては、()内のような根拠(誤解)が挙げられるわけだが、※後に述べるように全て選手やトレーナーがトレーニング理論や運動生理学を理解し、正しいトレーニングを行えば、なんら問題はないと思われる。
◇ 日本スポーツ界におけるウエイトトレーニング
世界中のスポーツ関係者がウエイトトレーニングを重要視しているにもかかわらず、日本スポーツ界では未だにこのトレーニングの重要性を理解していない指導者が多く、根強い
偏見が残っている。また
自重を利用したトレーニング(
腕立て伏せ等)は有効だが、ダンベル・マシン等を利用したトレーニングは有効ではないといったような、根拠の薄い説を信じる指導者も存在した(もっとも、「
プロレスの神様」
カール・ゴッチも同様の主張をしており、日本のみの現象ではない。ただし、ゴッチは
1924年生まれである)。また筋肥大・筋持久力・瞬発力を一切区別せずに、ただ回数だけを多くすればいいという安易にして無知な発想も多い。いずれにしても、筋肉質な体は見掛け倒しであるとの考え方がいまだに強い(そのため、大きく発達した筋肉を美徳としない)のも事実である。当たりまえの事だが、すべてのウエイトトレーニングが筋肥大を目的にしているわけではないので、根本から前提が間違っていると言える。
例えば、
野球の場合、「野球の筋肉は野球でつくられる」という考え方が主流の時期が長かった(
[外部リンク] 参考)。「野球の筋肉は野球」でネット検索を実施すると、その事実を窺わせるページが幾つも見られる。
大相撲でも、かつてはウエイトトレーニングに否定的で「伝統的な稽古をやっていれば十分」と主張する
親方が多かったが、ウエイトトレーニングを積極的に取り入れた
隆の里や
霧島がそれぞれ
横綱、
大関に昇進し実績を残したあたりから、そのような考え方は下火になっていった。
一方で、日本でも先進的な考えを持った選手・指導者が増えてきた事も事実で、積極的にウエイトトレーニングを取り入れている者も少なくない。この項目のリンク元となっているスポーツ関係者の項目を参照されたい。
◆ ウエイトトレーニングの欠点
ウエイトトレーニングで補強することのできない競技能力としては、
呼吸の苦しさに耐える能力が挙げられる。
陸上中距離や
競輪などの
無酸素運動においては、途中で息が切れる状態になっても筋肉をハイパワーで動かし続けなければならず、苦痛との闘いになる。
実際に
競輪において、ウエイトトレーニングに秀でており、筋肉ならば
競輪選手以上の人間を適性試験で入学させているが、
競輪学校においてタイムが悪すぎて留年してしまうという事態が生じている。
なお、同様に
乳酸に耐える能力も補強しにくいが、特殊なトレーニング方法を使えば、こちらは補強できる。
ウエイトトレーニングに比べ、
呼吸の苦しさに耐えるトレーニングや
耐乳酸のトレーニングは非常にきつい練習のため、これらのトレーニングを嫌い、楽なトレーニングをしているという非難を受けることもある。(大相撲において、「ぶつかり稽古の練習をせず、ウエイトトレーニングばかりしている」など)
◆ ウエイトトレーニングの原則
◇漸進性過負荷の原則
筋肉は強い負荷を与えるとそれに適応しようとする。例えば10kgのダンベルを10回上げ下げできる人が12kgのダンベルでトレーニングすると、筋肉はそれに対応し、やがて12kgを10回上げ下げできるようになる。
◇継続性の原則
トレーニングは継続しなければ効果がない。トレーニングを辞めてしまうと筋肉は次第に衰える。
基本的には筋肉が付くのと同じくらいのペースで落ちると言われている。ただし、長年に亘って継続してトレーニングを続けていた場合はその限りではない。
◇特異性の原則
筋肉は、その動きの早さや動かした角度、力発揮の仕方など実際にトレーニングした様式に合わせて特異的に成長する。
◇個別性の原則
人それぞれ個性があり、ある人には効果があるトレーニングでも他の人にも効果があるとは限らない。一人ひとり、個性に合ったプログラムを選択する必要がある。
◇意識性の原則
トレーニング効果を高めるには、筋肉に対してどういう風に動いて欲しいかをイメージする事が重要。
◇超回復
筋肉は、通常時では受けない強い負荷(過負荷)を受けると、筋肉を形成する
筋線維の一部が損傷し疲労状態となり、一旦筋力が低下する。その後およそ36〜72時間で元の水準まで回復したのち、再び同様の負荷を与えられた際に備え、元の水準を超えて筋線維を成長させようとする性質を持つ。この現象を超回復という。およそ過負荷から48時間〜96時間が超回復期間とされ、この間は過負荷を受ける前よりも筋量または筋力が向上している。その後何もしないと再び元の水準に戻ってしまうが、超回復期間中に再び筋肉へ過負荷をかけてやることを繰り返すと、徐々に筋量・筋力をアップし続けていくことが出来る。逆に、超回復を待たずに毎日(疲労状態のまま)筋肉へ過負荷を与えるトレーニング等を行った場合、筋量・筋力の向上が難しいばかりか、怪我につながる恐れもある。これがウエイトトレーニングによる筋力アップの基本理論となる。基本的に、小さい筋肉ほど超回復までの時間が短い。なお、自重のみを利用したトレーニング(腕立て伏せなど)は負荷が軽いため、超回復は起こりにくいとされる。
◇ 筋肉の記憶力
例えば、元々50kgしかベンチプレスできない人間が、100kgベンチプレスできるようになるには、普通、年単位のトレーニングが必要であるが、一旦100kgベンチプレスできるまで鍛えた人間がトレーニングを出来ない事情により衰えて50kgしかベンチプレスできなくなったとしても、100kgベンチプレスできるまで回復するのにそれほど時間はかからない。たいていの場合2〜3ヶ月のトレーニングで最大筋量に近い力を取り戻すことが出来る。
◆ ウェイトトレーニングの種目
BIG3
・ウエイトトレーニング page1
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